清水信博

2018年4月20日

数字は正しく対比して初めて役立つ

二十代の頃勤めていた会社の経営会議は、目標対比、予定実績対比、前年対比といったものを使った資料が配られていた。だが、それらがほとんど役立たなかった。

まず、全ての項目について、計画、実績、差額、達成率などを出したので、「どれを見ていいのか分からない」。つまり、データ数が多すぎたのだ。

次に、それらのデータが出たからどうしろといわれても行動まで落とし込むことはできず、相変わらず「売上を上げる」ことくらいしかできなかった。

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■数字は右側に何を置くかで決まる

例えば先の「一人当たり粗利高」だが、

一人当たり粗利高の右側に次のような記号と数字を置くと俄然変わってくる。

700万円 ≧ 850万円(目標)

(実績) 

この会社は一人当たり粗利高の平均目標値が、850万円で、これを超えれば良し。超えなければダメとなる。

粗利高の総額が目標を超えれば良い・・・のだが、もし人間を増やして粗利高が上昇したとすれば、一人当たり粗利高は横ばいや下降するかもしれない。だから総額と一人当たりで見なければならない。

そして、この数字(一人当たり粗利高)は、各社各様であって自分で設定すれば良い。

一方、賃金付加価値生産性も重要で、これが企業の正しい成長かどうかを測るモノサシとなっている。

いわゆる、粗利総額÷人件費で、これも

2.5(実績) ≧  2.9(目標)

というように右側に目標値を置く。

このように、決算書の数字の右側に、とにかく計画を入れて、表計算ソフトなどで、何でもかんでも全部引き算をして、というのは案外役立たないものだ。

ここ! という肝心のツボが見えないし、押さえてないものだから手の打ち方が乱雑になってしまう。

たかが数字だが、これも環境整備が大事だし、選択と集中が必要になってくる。