清水信博

2018年4月20日

マイクロカンパニー

企業の規模は、事業が要求するものによって大きくもなり、小さくもなる。

自動車産業などは、人間も設備も営業所数も多くなり投資を続けなければ存続できない大規模事業である。

一方、私のような事業は小規模で構わない。

このように事業が規模の大小を要求しているパターンが多いのであるが、この頃はそれすら変化しようとしている。

つまり「逆パターン」もある。

かなり前にMBAに通っていた頃に勉強した中に「V字カーブの谷」という言葉があった。

これは横軸に規模をとり、縦軸に利益率をとった場合に、

小規模はそれなりに利益率は良く、大規模になるとやはり良くなるが、V字の谷、つまり中規模の会社が苦しんでいるということだった。

中途半端な規模は、小規模でいくか、大規模でいくかを、早く意思決定しなければ沈没するということらしい。

たしかにMGでも中途半端な会社は両側からやられる。

当社などは、マイクロカンパニーといった芥子粒のような会社だが、人数を増やし、投資を重ねたら良くなるか?というと、あまり投資効果は無い。

いや、損益分岐点比率が上昇するだけのことでしかない。

そして投資を重ねると、「V字カーブの谷」に、ひたすら近づくことになる。そうなった時点で引き返すことになるだろう。

マイクロカンパニーは、マイクロカンパニーのままで、優良企業の道を歩いて行く、ということも経営の意思決定だということに気づいた。

もちろん人それぞれであって、行く道は異なる。

「規模の経済」でも「範囲の経済」でも構わない。

ただ私はマイクロカンパニーというものにも、生き続ける道と市場と創造性は存在していると確信するだけである。