清水信博

2018年6月26日

直接原価計算でない労働分配率は無効

これはごく当然のことであるが、労働分配率(F1/MQ)にしても、労働生産性(MQ/N)にしても、元となるデータが全部原価計算方式(FC)では誤りであって、必ず直接原価計算方式(DC)のデータでなければ正しいとはいえない。

国が公開している産業別の労働分配率を見ると、製造業(たぶん全部原価計算による付加価値(MQ)の算出)と、サービス業などの直接原価計算による付加価値を混在比較している。

このような比較は、そもそも間違っているのであるから、製造業であるから労働分配率は40%で、同じ業界平均をみると43%だからそれを指標に・・というわけにはいかないのである。

ましてや「平均」なるものは、ウソであるから自社の指標としてはいけない。

平均以下の企業にとっては目標どおりにすれば過払いとなり、平均以上の会社では社員のもらい損となるからだ。

また経常利益(G)などは重要であるにしても、経営活動の排泄物のようなものであるから、社員にとって最も重要なものは、人件費である。

毎月の毎年の給料や賞与がキチンともらえて、さらに物価上昇に先んじて上がっていくことが正しい。

給料が物価上昇に遅れるようでは、豊かな生活にはならない。

歴史の事実としても、人件費総額は、必ず物価上昇に先んじて行われてきた。

ともかく、労働分配率にしろ労働生産性にしろ誰も知らないが賃金付加価値生産性にしろ、すべて直接原価計算方式でなければ正しい答えを得ることは不可能であるということをラッカープラン研修に参加した方々にはお伝えしておきます。