清水信博

2018年8月8日

P/LよりもB/SよりもC/Fよりも

P/L損益計算書 B/S貸借対照表 C/Fキャッシュフロー計算書

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なぜ懸命に売上を上げて、原価や固定費を下げて、効率化を図っても楽にならないのか。

決算書が読めない時代は売上だけが唯一の指標だった。ところが売上至上主義は忙しいばかりでちっとも儲からない(楽にならない)。

そこで会計を勉強してP/Lの粗利を指標にしたが、それでも儲からない。通信簿の成績はBなのに現金がたまっていかない。

そこで何年もかけて、今度はB/Sを勉強する。

それでも儲からない。

ではということで、C/Fを勉強するが、それも儲かるとはいえない。

このように次々と勉強をすれば、きっと儲かるはずだと思っていたのが、忙しくなるばかりで、金庫のお金はちっとも増えていかない。そういう会社は多いのではないだろうか。

結論からいえば、「やっていることが多すぎる」から手からキャッシュが漏れていくのです。

アレもコレもと食指を伸ばし、きっとどれか商売に結びつくだろうと思っているのだが、どれも食いつかないか、高い道具と餌で雑魚しか釣れない。

中小零細企業は、限られた資源、いえ極小の資源しかないことをまずもって認識すべきである。

ほとんど無いという資源を、あっちにもこっちにも分散すれば効果が出ないことは当たり前のこと。

それを会計を学ぶことで儲かるというのは、神頼み、人頼りでしかない。

私は二十年前に独立した時は、いくつもあったプログラムをすべて捨てて、二つに絞った。ふたつでもその奥行は広く、一生かかっても到底到達することはできないものだった。

それをいくつもいくつも手を広げるというのは、自滅への道に他ならない。

早々に「あきらめ」た、ことを覚えている。

そうした中で会計で得た知識で計画を立てた。

どれだけ計画を立てても赤字計画だったことを覚えている。

しかし、まずプログラムを絞らずに計画を立てたならば、会計の知識がいくらあろうとも会社は良くなることは無かっただろう。

あれもこれもではない、あれかこれかだったと気づいたのは、しばらくたってからのことだった。