清水信博

2018年9月21日

原価意識の間違い

1分あたりの原価、つまり1日あたりの固定費を1日8時間で割り、さらに60分で割る。このようにすると115円/分かかっている固定費を人数分かけた額は相当になる。

だから、できるだけ無駄を省いて、仕事を効率的にしていけば儲かる。

という、この考え方は根本的に間違っている。

こんなミクロの計算式で付加価値増大は不可能であって、TOCの目指すところとは相容れない。MGもそうだと思う。

TOCでは、「余裕を持て」という。

積極的に「余裕時間」を戦略的に配置することでリスクを軽減し、付加価値を最大化するという。

それは「人」にも優しいことであり、設備ではメンテナンスという優しさも招くことになる。

間違っても経済や経営本にある原価意識なるものを、本気で信じてはいけない。

全部原価計算(FC)は全てが不正解であるとは言わないが、全部原価のトリックは原価意識というところでも我々の判断を歪め、意思決定を間違いに導くことがある。