清水信博

2019年11月10日

世の中は「STOCKとFLOW」で成り立っている

道路の側溝から水が溢れ出している。

この解消方法には二種類ある。

ひとつは枯れ葉などのゴミを高圧洗浄機などの強い水流で流してしまうことである。こうすれば水は再び勢いよく流れ始める。だが下流域で再び水が溢れ出すかもしれない。

もうひとつの方法は、枯れ葉を取り除くことである。このようにしても水は勢いよく流れる。

水の流れはFLOWであり、溜まっている枯れ葉はSTOCKである。

そこで最初の勢いよく(FLOW)流してしまうという方法と、溜まった枯れ葉(STOCK)を取り除く方法のいずれが簡単かとなると、STOCKを取り除くほうがはるかに簡単であることがわかる。

つまり水の流れ(水流)を速くしたいのであれば、障害物を取り除けばよい。

TOC理論はFLOWの科学ともいえるが、FLOWを良くするためには、上記のような方法で過剰在庫というSTOCKを取り除くと良い。 

これは会計恒等式でいうと、

前繰+当期inー当期out=次繰

であるが、少し加工すれば次のようになる

前繰ー次繰=当期outー当期in

もしくは

当期inー当期out=次繰ー前繰

でもよい。

つまり、STOCK差はFLOW差と同じである。

そこでSTOCKを制御すれば、FLOWも抑えることができるということになる。だからFLOWを意識しなくとも期待する効果はあがる。

■仕事では

さて、そこで最短時間で製造をしたいのであれば、やはり全行程の中にある障害物を取り除けば良いということになる。

何故特急仕事は速いのか?

それは障害物がないから「待ち時間が減少する」ということであって、決してFLOWを早めたわけではないことがわかる。

■流体力学や渋滞学は役立つ

水の流れ、空気の流れといった流体力学はTOCを学ぶ上で共通点が多く役立つ。

また渋滞学も同様に役立つ。

いずれも流れに関する学問であるから。