清水信博

2020年4月20日

投入ルールについて

仕事の投入は、次工程の前に仕掛品が無い場合のみ可とする。

もし次工程の前に仕掛品があれば、投入したことで仕掛品は2個となり停滞を招く。

これは前工程における投入ルールである。

 
 
それを次に示すと、

●....仕事

◎(1)(前工程)●→投入可 (次工程)作業中●

×(2)(前工程)●→投入不可●(次工程)作業中●

 ※もし投入すれば、次のようになる

(前工程)●→投入不可●●(次工程)作業中●

 

こうして、次々と前工程が投入を続ければ仕事の停滞が発生し、実処理時間よりも待ち時間のほうが激増することになる。
 
よって後工程に配慮した投入は、最初である営業工程などから制御しなければならない。最初が肝心とはこれを言う。

  

また一旦発生した停滞を元通りにするには相当な時間がかかることは道路で発生した事故の復旧状態をみてもわかる。
 
 

私達は「早く作って、お客様に早く届けようとするあまり、システムの中に何箇所も停滞という団子状態を作ってしまっている」のである。

 

これを防ぐには最初の投入はシステム全体を眺めて負荷量を7割くらいとして、また個々の工程間での移動ルールを決めることが必要になる。また個々の工程では個人の都合により終えた仕事をいつまでも手元に置かないようにすることも必要になる。

 

また広すぎるスペースや、多すぎる人員が、受注のない仕事を作ってしまうことがある。これは稼働率をうるさく言われるがために予測生産をやってしまう場合だ。
 
システムはシンプルで筋肉質のほうが良いに決まっている。

 

早く完成したからといって顧客に届ける必要はない。
 
早く届けた時に得られるメリットが何かを考慮し、無ければ他の仕事時間を優先したほうがいい。

 

上記の図をみると、「(最終)後工程はお客様」であるのだからお客様の前に製品を積み上げることはキャッシュフローの観点からも望ましいことではない。押し込み販売でしかない。

  

仕事とは「流れ FLOW」である。
 
流れを良くしたいのであれば流れを強くするのは得策ではない。
 
それは投資することを意味する。
 

無投資で良くしたいのであれば、流れを阻害している要因を取り除くことである。
 
側溝の流れを良くしたいのであれば詰まっている落ち葉を取り除くことである。
 
そして一度取り除いたからといって満足はできない。
 
定期的な観測と作業というルールがワンセットではじめて継続的に良い流れが維持できるのである。

 
 
横文字でいうと「ゴーイングコンサーン」。