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  • 執筆者の写真清水信博

ナンバーワンとオンリーワン

ナンバーワンは独占的、他を蹴散らすというイメージがあります。 一方、オンリーワンは独自のものをというイメージでナンバーワンからみると優しさがただよいます。   しかしながら私は、オンリーワンとは、細かく区切られたエリアの中でのナンバーワンということだと思います。棲み分けた中でのナンバーワンといっても構いません。 相撲の土俵でいえば、土俵を細かく区切って一人しか入れないような市場を形成した中では、たしかにオンリーワン(唯一、一人)です。   ナンバーワンはプロレスでいうところの「バトルロイヤル」です。 リングに上がった相手は全て敵。最後まで倒されずに残ったものが勝者というイメージがあります。 ところが細分化された市場で唯一人であれば、バトルロイヤルで残った最後の一人と同じ状況になります。    

■市場の捉え方で変わる    そこで、オンリーワンは、市場や商品の細分化、市場のレベル等を「探す」ということが重要になります。我一人の土俵探しです。 しかしオンリーワンも儲かることが相手に知れ渡れば、やがて新規参入が増え、ナンバーワンの争いになります。   そうなるとオンリーワンの戦略も全ての分野で独自性を発揮することは不可能なので、特定分野に限られ、他のほとんどはナンバーワン争いとなります。  

  ■全てを最適化してはならない   製品MIX、市場MIXといった考え方の根本にあるもの。 それは「全ての製品や市場で均等に儲けようという考え方は誤りである」ということです。 儲かるものがあれば、儲からないものもあるのが当たり前。   そこで、そもそも資源がない中小零細企業は、どの資源に力を投入するか。集中するかで全てが決まってきます。 同様に、どの分野でナンバーワンになるかという箇所を見間違えると力を分散することになります。 オンリーワンも間違って追及すると、全ての製品や市場が均等に「そこそこしか儲からないもの」になりかねません。   孫子の兵法の「戦わずして勝つ」という極意は、やたら無益な戦いは挑んでも損ばかりで益はない。しかし敵に攻め込まれて、ただ降参するのは間違いで、挑まれたら必ず勝つ算段を用意しておけ、というのが孫子の兵法です。   最初から負けることは考えていないし、好戦的でもありません。 このことを良く理解していなければ、孫子の兵法は「奇略だ、謀略だ」という軽はずみな結論を出してしまいます。   だからナンバーワンが悪いわけではありません。 オンリーワンだけが良いということでもありません。

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