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  • 清水信博

仕事は不安解消の為ではない・・・


2001年に独立した時は本当にお金が無かった。にもかかわらず事務所を借りようと思った時に、妻に「裏庭に子供部屋を建てて、そこを事務所にしたらと言われ、渋々10年間1坪の事務所に道具を入れて机一つで開業したものです。

でも、その一言で10年間やって何とか暮らせるようになり、2011年には新築することができたわけですから、ベテラン経営者だと威張っていても、奥さんのほうが大したものです。

”入るを図り、出を制する”ということ知ったのは還暦後でした。

当時は、カレンダーに空白があると心配で、なんとか空白を埋めて、真っ黒になると安心していたのですが、予定が満杯になっても、ちっとも儲かりません。出張漬けで、深夜に帰ってまた早朝出発なので、家族との会話も少なくなります。

給料を入れておけば何とかなるだろうという想いで奔走しているのが男ですが、かなりいろいろなものを犠牲にしていました。

しばらく動き回っていると、2006年には胃潰瘍で出血。緊急入院で生死をさまよい、2011年には大腸ポリープの手術でガン宣告を受けて生還。仕事づくめで何年に一度かは倒れてを繰り返していました。

大きく変わったのは2012年頃からでした。

事業を変えて、カレンダーにも空白が入ってくると逆に経営は良くなってきました。家族と関わる時間も増えたし、時間的心理的余裕も以前とは比べ物になりません。

カレンダーを真っ黒にして、どんな仕事でも受けていたときは、”不安”が心を支配していたからです。仕事が無くなると困る、だからある仕事は何でも入れて、カレンダーが真っ黒になると”安心”する。そこには利益がどうこうということはありません。不安解消の為に全国津々浦々を動き回っていたのです。

仕事はMQを生み出す(付加価値創造)と言いながら、不安解消だったというわけですから、じつにお粗末な話です。


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