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  • 清水信博

先駆者精神


■先駆者精神

人によりますが、私は先駆者精神が好きでやってきました。

印刷会社に勤務していた時代には、業界の常識を破って「新しい印刷表現」を開発。

ところが最初は経営会議で総スカンを食ったので、なにくそ!とばかり試作品を持ってお客様のところを回ったところ大好評。

こういう新製品を待っていたとの声で新規顧客を獲得。

数年後には従来の製品を押しのけて主力商品になりました。 この経験で、私の研究開発心に火がついたのだと思います。 前人未到の分野だから面白いのです。

■天然と自然について

天然は誰も見たことがないものです。 一方、自然はどこにでもあるものです。 それこそ試験管の中にも自然はあります。 ところが、よくこの天然と自然を勘違いするのです。

前人未到というのは、何も「天然の中に探せ」とは言ってないのです。

どこにでもある「自然の中」から探すのです。

身近なことの中を観察していけば、先駆者精神を発揮できる分野はいくらでもあります。

■改善活動も先駆者精神で

もう数十年前ですが、パソコンのプリンターはドットインパクト方式といって、インクリボンを裏から叩いて印字する音が大きいものでした。

当時、「消音ボックス」といってプリンターを木箱に入れて音を小さくするものが売られていましたが、大変高価でした。 そこで私は印刷会社だったので、ダンボール製で簡単に組み立てられる「消音ボックス」を開発(1985)。 日経産業新聞が取材に来て新聞にも載りました。 ですが、すぐに大手製紙メーカーが真似をして販売。 そもそも私は社内で、うるさい印字に対処するために作ったものだったので販売などする気はありません。その後、その消音ボックスが売れたという話は聞きませんでした。

改善活動がマンネリ化するのも、私は先駆者精神が薄まったからではないかと思います。

          (株)ソフトパワー研究所 所長・清水信博


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