• 清水信博

短編小説「環境整備」


汚い部屋は、現代アート。 決して、衣類やティッシュや飲食物を散乱しているのではない。 あれは、当人一流の現代アートなのであって、これからますます変化、いや進化していく途上にあるものなのである。 だから「汚い」と思わず、「これは現代アートを作成しているのだ」と思えば気は楽になる。 ただ、だれもが作品を完成することはないので、たいがい失敗作で終わる。 つまり、「敗北」といってよい整理整頓を余儀なくされるのだ。 だが、再び真っ白なキャンバスになると、現代アートへの意欲がムラムラと沸き起こってくる。 脱いだ衣服を少し放り投げてみると昔の快感が戻ってくる。 ティッシュを不良っぽい仕草でゴミ箱に投げてみる。 だがゴミ箱に入らず床に落ちる。 ここでもまた少し過去の快感が戻ってくる。

こうして、再び現代アートへの取り組みが始まる。 だから、決して汚い部屋にしているのではない。 アートなのだ、アート。 そう思うことにしよう。

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