top of page
  • 清水信博

頭の良い者は


私の母親は大変頭の良い人でした。

父親が52歳で急死した際には、臨時で社長を努めましたが数年で社長交代。

以後、会社に顔を出すことはありませんでした。

また幹部社員を呼んで指示することもなく、自分の暮らしに徹しました。

ですが繁忙期にはパンや牛乳を百数十人分も何度も差入れをしていました。

こうして繁忙期に差入れをすることで、幹部社員が悪さをすることを暗に防いでいると聞いたものです。

頭がいい人は、叱り飛ばして組織を制御するのでもなく、単なる優しさだけでもなく、ちゃんと計算づくで行動しているのだと驚いたものです。

頭の悪い者は、辞めても何度も会社に来ては部下だったものの仕事の邪魔をします。

最初は快く迎えた側も、そう何度も来られたのではたまったものではありません。

やがては、誰も応対しなくなります。

そうして本人も気づいて、会社に来なくなるのです。

定年になった途端に、奥さんの尻を追いかけて嫌われるのも同じようなもので、「本人がやるべきことが無い」からです。

趣味でもいいし、第二の仕事でもいいし、ボランティアでも構いませんが、とにかく自分が何をやっていいかが分からないから過去にしがみつくことになります。

社員は会社を辞めたら、さっさと自分が本当にやりたかった事を始めるのですから勤めていた会社になんか来ようと思いません。それが正しいのです。

経営では、事業の多角化とか、事業の柱を数本もっていたほうがいいと言いながら、定年退職になってみると、仕事一辺倒で1本しか選択肢が無かったというのは、お粗末なことです。


最新記事

すべて表示

赤字事業、赤字製品

赤字事業、赤字製品は、それが何であれ「見切りをつける」ことが大事である。 よく見受けるのは、創業者が作ったものとか、この会社の存在意義、理念的なものという背景で、赤字事業や赤字製品を続けていることがある。 この対処には、つぎの三つの方法がある。...

収入・コスト・利益

長年の経営分析によると、収入(PQ)、コスト(VQ+F)、利益(G)の年間の傾向値は、ほぼ比例関係を保っている。 つまり、収入が伸びれば、コストはその9割という具合に伸びてきた。 だから利益(G)はいつも収入の1割程度とされてきた。...

プロジェクトは捨てるに限る

プロジェクトにも賞味期限があります。 あれは生鮮食品みたいなものですから。 いつまでも成果が出ないプロジェクトを延々と続けるのは、人も資金も時間も浪費しているだけです。 中小零細企業などでは数ヶ月やって成果が見えないプロジェクトは「筋が悪い」のだからやめるのがいい。...

bottom of page