• 清水信博

倒産


三十数年前に、このような仕事を始めたときは、全国各地に同業者が数多くいました。ほとんどがMGとPIPSまたはマイツール販売が主力の零細企業でした。 新潟にも全国で有名だったSCTという会社があり、社長の佐々木さんは若くして亡くなり、その後会社は解散。 私がやっていた会社もその十年後には解散。 いまから思うと、倒産して当たり前です。 あまりにも人間が多すぎました。 当時は人間を雇えば、それは戦力になるという考え方や、人がMQを産み出してくれると思っていたので、分不相応な採用を重ねて結局は首を締めた会社ばかりです。 人を採用しても、それだけではMQは上がりません。 上がるのはF(固定費)だけです。 こんな当たり前のことが分からなかったのがバブル時代だったかもしれません。 組織というものは、事業というものは、市場というものは、製品というものは、「いったいどうなっているのか」を見極めたうえで採用をどうするかを考えることだと痛感したのは独立後。じつは事業だ製品だ市場だということを「ばくぜんとしか」見ていなかったです。 計画の売上は「希望的観測」で水増し。 適当な利益率で夢のような利益を描き。 そこでSTOP. こんなことで利益は出るはずもなく。 キャッシュも事欠く有様でした。 独立したら、こんな「いい加減な」ことはできません。 売上の水増しもやめて、あらゆる固定費を見直し、我慢するところは我慢するというふうにしないと、今度は会社清算ではすみません。夜逃げすることになります。 それから17年経ちました。 私のような事業では、人は「少し少ない」くらいでちょうどいい、とも思いました。 人数が多ければ、同じ100のものを単に分割するだけになってしまいます。少なければ、そこではじめて「考え始めます」。そういうことも分かってきました。 人的投資も含めての投資は、私のような会社では十年後に花咲かすでは倒産してしまいます。そんな悠長な事は言ってられないので、100投資したら、その年度で3倍のMQとなって跳ね返ってくるようにしてほしいといいます。 期限は1年。リターンは3倍。 これが当社の考え方です。 人も同様で、400万円の人件費がかかるならば、1年目で1200万円のMQを稼せぐのが目標です。 誰もが、他人のMQに、おんぶ に 抱っこ しない。 自分で稼ぐ。 神輿を担ぐのであって、神輿の真ん中でぶらさがっているような者は振り落として担ぐほうに回ってもらう。 そう思うのです。 全員経営とは言うけれど、誰かの努力に頼って自分は何もしないという者は参加資格はない。そう思います。 ただ初年度から3倍はきついかもしれません。 ですから初年度は自分の給料ほども稼げれば良いのでしょう。 しかし、翌年、翌々年にはまた新しい人が入ってきます。 その人の不足分は、今度は自分が稼がなければなりません。 いつまでも人頼りでいくことはできません。 他人のお世話にならぬよう。 他人のお世話をするよう。 そして報いを求めぬよう。(後藤新平)


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