答えは MQ>F なのだが。 ようは固定費(F)が多すぎるから利益(G)が出ないのである。 答えは簡単なのだが、あまりにもいろいろ勉強し過ぎると、アレもコレもと答えを求めることになる。 赤字続きの会社は、出直しをしろと言われているので、固定費(F)を身の丈に合った額に見直す。そして、MQとFがつり合ってきたと思ったら、今度はMQを上げる方に力を注ぐ。 もちろんこれから新しく会社を起こそうというのであれば、いきなり多額の投資をすることもある。 だが長年低迷をしている会社は、その方向では利益(G)は出ないことが証明されたのであるから出直しの戦略転換が「世の中のほうから求められている」のである。そのお客様の要望を無視するから状況は好転しないのである。 儲かっている蕎麦屋と、儲かっていない蕎麦屋に例えるならば。 儲かっていない蕎麦屋が経営の効率化を狙って自動券売機を買うのは間違っている。そんな投資はお金をドブに捨てるようなものだ。まずは美味い蕎麦を提供することである。 一方、儲かっている蕎麦屋が自動券売機を導入するのは良い投資である。 儲かっていない蕎麦屋がマーケティングの勉強会に参加しても、蕎麦が不味ければ参加費は無駄になる。まずは本業を磨くことであり店を綺麗にすることが最初である。 現在の自社の状況により、MQ>F にする優先順位というものは決まる。 不味い蕎麦屋は、味を良くするのが優先順位の1番であるのは、お客である外部の人間なら「すぐに分かる」。ところが内部で働いている経営陣には、なかなか見えない。 いや、経営陣は「見たくない」から視界から消え続けているのかもしれない。 と、これは私の三十年前の体験。 そして、固定費(F)を身の丈にする覚悟は大変なものなので、利益が出るようになったら、「すみやかに」MQアップに力を注ぐほうがいい。いつまでも固定費(F)ダウンをやり続けると本当のブラック企業になってしまう。
清水信博