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  • 清水信博

嫌利益思考の悲劇


私は最近は、「赤字会社を黒字にしましょう」と言うことは、あまり言わなくなりました。それはMGやTOCをやれば実現できることですから。

怖いのは赤字企業なのに、利益が全てではないとする嫌利益思考です。こういう会社はまだ経営者が幼稚なので社員の心理を理解していません。人は誰しも独自の豊かさを求めます。

そこでは心理的なものや、金銭によって得られるものもあります。

まず、利益に善悪はありません。

単なる費用を超えた収益でしかないわけですから。

この超過額に善悪理論を持ち込むからおかしくなるわけで、使途によって善悪は決まります。

ですから赤字企業でも変な方に使えば、それは悪い利益の使い方になるでしょう。

そして、最も悲劇的であり、抜け出せない静かな強制力を持つものは、真綿で首を締めるような経営です。

言葉は優しい、一体感のある、居心地の良い経営でありながら、いつまで経っても黒字が出ない経営。

この世界に染まってしまうと抜け出すことは困難です。

私はこう思います。

大いに儲けて、大いに役立つことに使おうと。

儲けることも、使うことも「ちまちま」しているからダメなんで、もっと視点を高く、志も高くすれば、少ない利益などに目くじらを立てることもありません。

そう思います。


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