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「始める勇気」と「やめる勇気」

清水信博

メリハリという言葉を調べてみた。

日本の伝統的な音に関する用語。「める」は「めいる」「ゆるむ」の意、「はる」は「張る」の意味からきており、音を低めまたは弱めに発したり、高めまたは強めに発する技術。歌舞伎(かぶき)では、とくに台詞(せりふ)の言い回し方の強弱・高低・伸縮などの技術をさす。

つまり、緩急をつけるということのようです。

何事も、「始まり」があれば「終わり」があります。

その中間には「やること」があります。

StartとDoとStop

その中で最も大事なものは、最後のSTOPで、

人は何事かを始めるのに急いでやる人、慎重にスタートを切る人、なかなか腰を上げない人がいます。

そして実行段階になっても急ぐ人、ゆっくりの人、まるで進まない人がいます。

最後のSTOPが一番大事だと言ったのは、

たった一つのStart-Do-Stopではないからです。

計画やプロジェクト、製造でも何でもそうですが、たったひとつの事で終わるはずがありません。

プロジェクトも「次から次へと」押し寄せてきます。

ですから、いまやっている事はいつか決着をつけなければなりません。

そうしないと、これからやる仕事が山のように堆積するからです。

すべての仕事が完璧に終わるとは思えません。

すべての仕事が成果に結びつくとも思えません。

私は成果に結びついて、スムースに終える仕事は1割にも満たないだろうと思っています。

ですから、ほとんどの仕事は見切るという意味で止める勇気が必要です。つまり「廃棄」です。

そうしないと最も貴重な資源である「人」を酷使するだけという悲しい結果になってしまいます。

一日の仕事も、定時になったら未練たらしくやるのではなく、「今日はもう止めて、明日やろう」と見切る勇気をリーダーには持ってほしいものです。

その上でいえば、「始めるとき」の「さぁ、始めよう!」という勢いのあるスタートが光ってくるのです。


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