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  • 清水信博

矛盾を放置していると


知らないうちに「矛盾」が起きていることはよくある。

会社を良くしたいという想いがあっても会社が良くなるという保証はない。

良い品質をという方向性と、企業規模を大きくしたいという方向性が衝突している事はよくある。

それに気づかず進んで行くと、どこかで「矛盾」が発生することがある。

この場合には、全員でよくよく話し合って「矛盾」を掘り当てて、妥協案という第二の矛盾を発生させずに、真の根本問題を全員で消し去ることが必要になる。

よく会社で過去の功労者に報いるというが、過剰な報酬で報いることは、現存する社員の反感を買うこともある。

過去に功労があったことと、現在働いて稼いでいる人間との間の「矛盾」が生じる。

だが銀行が介入した場合には、この矛盾は一瞬のうちに解決「させられる」。つまり過去の功労者への報酬は全てカットされて銀行への返済原資にされる。功労者に報いると情けをかけていた経営者も報酬カット、もしくは降格や首切りにあう。

第三者からみれば「矛盾」でもなんでもないという場合がある。

では「矛盾」は無いほうが良いのか?

いや、矛盾は常に発生し、消えることはない。

ボトルネックが無限に消え去らないように、やっかいだと思っている矛盾も消え去ることはない。

だが、もし全員で「矛盾」を消し去ることができたならば、雲の上の景色を眺めることができる。

別世界を体験し、不可能だと固く信じていた世界観が破壊され、信じることができるようになる。

世の中では、ブレイクスルーという言葉が流行っているが、ブレイクスルーは「矛盾の解決」であるといっていい。

そして矛盾とは、自然の中にはほとんど存在はしていない。

そのほとんど全てが、人間同士の頭の中の対立であるといっていい。育った環境や、経験、信じていること、学習してきたこと等々が、自分としては「間違いのない真実である」として頭を支配し、固定化してきた「だけのこと」である。

矛盾は「消し去ることができる」。

だがそれは、自分がこれまで得てきたものを放棄するということではない。

 いやむしろ、これまで獲得してものを全て活かして、さらにその上に行こうとする「案外適当な、案外非まじめな、案外ずるい」考え方でいい。真面目一辺倒で、責任感が強すぎたら、矛盾解消は難しい。

その点、高齢者は「矛盾解消が得意になる」。

理由は「もの忘れが多い」から。

「忘れました」とトボけることは、本当に大事なことなんです。


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