top of page
  • 清水信博

働き方改革


働き方改革は、結局は「短時間でいまと同じ成果を上げよう」ということだ。 福井の谷川俊太郎さんがブログに書いていたが、 10時間で100の成果があるものを、8時間でやれとなると、100÷8時間だから、1.25倍頑張らなければならない。 いまでもやっと100の成果なのに、残業もせずに25%アップするのは到底ムリだという声が出るのは当然のことである。 では止めるのか? いやいや、25%アップを実現するには、努力だけでは無理がある。

価格上昇という方法や、仕入れ値を下げる交渉をするとか、無駄な経費を見直すという手もある。 だが、それをやったとしても25%アップに手が届かないことのほうが多いのではないだろうか? そこで、ミックスの問題が「ここで」必要となるのである。 製造であれば製造ミックスであり、販売であれば販売ミックス、マーケット・ミックスもある。

ともかく単品で考えているうちは、25%アップの問題は解けない。解けなければ短絡的なリーダーは、「ともかく売上をあげろ!」と叫ぶことしか知らない。

これでは第二次世界大戦末期の無能な参謀と同じである。 TOC研修の有名な製造問題は製造ミックスの解き方であった。 MGの販売ミックスの事例は参加者はご存知のとおりである。 事業ミックスやマーケティングミックスについては、まだ知られてはいない。 いずれにしても、25%アップという無理難題を、「できない」で終わらせたら知的ワーカーとはいえない。 そして、これまで学んだことを現実に活かすことこそが、本当に学んだと言えることである。 その意味で、この働き方改革は、じつに魅力的なテーマであると私は言いたい。


最新記事

すべて表示

赤字事業、赤字製品

赤字事業、赤字製品は、それが何であれ「見切りをつける」ことが大事である。 よく見受けるのは、創業者が作ったものとか、この会社の存在意義、理念的なものという背景で、赤字事業や赤字製品を続けていることがある。 この対処には、つぎの三つの方法がある。 まず最初に赤字かどうかの判定は直接原価法でなければならない。間違っても人件費や経費などを上乗せしたコストは使ってはならない。 また事業の採算についても本社

収入・コスト・利益

長年の経営分析によると、収入(PQ)、コスト(VQ+F)、利益(G)の年間の傾向値は、ほぼ比例関係を保っている。 つまり、収入が伸びれば、コストはその9割という具合に伸びてきた。 だから利益(G)はいつも収入の1割程度とされてきた。 よく言われる売上高経常利益率が10%あればというのがこれである。 だが、この比例関係を崩さなければ、企業は大きく飛躍することができない。 収入(PQ)の伸びと

プロジェクトは捨てるに限る

プロジェクトにも賞味期限があります。 あれは生鮮食品みたいなものですから。 いつまでも成果が出ないプロジェクトを延々と続けるのは、人も資金も時間も浪費しているだけです。 中小零細企業などでは数ヶ月やって成果が見えないプロジェクトは「筋が悪い」のだからやめるのがいい。 TOCもそうです。成果が出ない企業はTOC導入をあきらめたほうがいいです。 そもそも合っていないのですから。 たかが

bottom of page