top of page
  • 清水信博

在庫と速度について


製造業などでは、(生産)速度を上げたら、在庫は減るかというと減りはしない。

一方、在庫を減らすと、自動的に速度は上がる。  例えば、秋になったら道路脇の「側溝」を見れば分かる。側溝から水が溢れている(滞留)場合に、上流から勢いよく水を流すとどうなるか?。 これは水が溢れてしまうだけで下流に水が行かない。(納期遅れだ) 一方、側溝に溜まっている「枯れ葉(在庫)」を取り除けば、水は勢いよく下流域に流れていく。しかも上流から勢いよく水を流すには大きなエネルギーを必要とし溢れるのだから無駄なエネルギーの投入になる。 側溝の枯れ葉を取り除くのは、わずかなエネルギーで絶大な効果がある。費用対効果でいえば、誰が考えても「枯れ葉を取り除く」ほうが有利であることは分かる。ところが、これが生産現場となると分からなくなる。 モノの流れも、水の流れも。空気の流れも同じであって、流れを阻害しているものをチョイとひねれば問題は解決する。 そういう風に、自然現象と生産が見えてくればTOC理論など簡単である。TOC理論も面倒そうにアレコレいうコンサルタントはニセ者であるから要注意だ。 流れの科学といえば、流体力学もあれば、砂時計もあるし、千島列島上空にみられる雲の流れ(珈琲にミルクを入れたと同じ)ものもある。お金の流れも同じことであって、流れを阻害する要因をコントロールすれば事足りる。 こうした流れ「フロー」と、滞留は「ストック」だから会計学も同じ。 結論をいえば、 流れを良くしたい(速度アップ)のであれば、まずは停滞させているものをコントロールすることだ。 だが、その逆は成立しない。


最新記事

すべて表示

赤字事業、赤字製品

赤字事業、赤字製品は、それが何であれ「見切りをつける」ことが大事である。 よく見受けるのは、創業者が作ったものとか、この会社の存在意義、理念的なものという背景で、赤字事業や赤字製品を続けていることがある。 この対処には、つぎの三つの方法がある。 まず最初に赤字かどうかの判定は直接原価法でなければならない。間違っても人件費や経費などを上乗せしたコストは使ってはならない。 また事業の採算についても本社

収入・コスト・利益

長年の経営分析によると、収入(PQ)、コスト(VQ+F)、利益(G)の年間の傾向値は、ほぼ比例関係を保っている。 つまり、収入が伸びれば、コストはその9割という具合に伸びてきた。 だから利益(G)はいつも収入の1割程度とされてきた。 よく言われる売上高経常利益率が10%あればというのがこれである。 だが、この比例関係を崩さなければ、企業は大きく飛躍することができない。 収入(PQ)の伸びと

プロジェクトは捨てるに限る

プロジェクトにも賞味期限があります。 あれは生鮮食品みたいなものですから。 いつまでも成果が出ないプロジェクトを延々と続けるのは、人も資金も時間も浪費しているだけです。 中小零細企業などでは数ヶ月やって成果が見えないプロジェクトは「筋が悪い」のだからやめるのがいい。 TOCもそうです。成果が出ない企業はTOC導入をあきらめたほうがいいです。 そもそも合っていないのですから。 たかが

bottom of page