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清水信博

仕事を断る


仕事を断ることができないリーダーは最悪の事態を招く。 製造業などで、もうこれ以上入らない、満杯であるといったときに、長年のお客様から急ぎの仕事が入った。 この仕事は受けるべきかどうかと判断を迫られる時がある。 答えは「断ればいい」。 物理的にできもしないことを、なんとかやろうという精神論は立派だが、すぐに破綻する。たいがい他のお客様に納期割れという迷惑をかけるか、最後になってできませんといって怒鳴られるか。社員を怒らせてしまうかのいずれかだろう。 物理的にできないものを、できるというのは日本人の悪い癖で、太平洋戦争末期の頭の悪い上層部がそうだった。おかげで何万人も亡くなってしまった。 リーダーがバカだと下の者が苦しむのはいつの時代も同じ。 物理的にできないのであれば、できないという事をお客様に伝えて、他社を紹介したり、納期調整をするという方法を「最初に」考えるというのが正しい交渉。 言いにくいことは最初に言ったほうが、後になって楽になる。 先憂後楽だ。 なんでもかんでも、安請け合いしていると、投入過剰になって、やがてはTOCゲームのように、生産リードタイムが急上昇して儲からないし、顧客満足度は急下降。

まったく儲からない会社になってしまう。 できないことは、できないのです。


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