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  • 執筆者の写真清水信博

真の生産性向上

3人でやっている仕事を5人でやってはいけない。

人が増えると逆効率となることがある。 3人でやっていることを、2人で楽々と7割の時間でこなすこと。 それが正しい「仕組みづくり」である。

私は印刷会社の作業改革でわずか数ヶ月で生産性を10倍にした。

その論文は日本印刷技術協会に応募して賞をいただいた。 ここには、いくつかのヒントがある。

まず全工程を追跡調査したときに、何度も何度も同じ作業やチェックをしていた。

これを最初と最後くらいに減らせばすぐ数倍の生産性にはなる。

我々はチェックや報告書を書くために製品を作っているのではない。

良い製品をいち早くお客様にお届けするのが「本当の仕事」なのである。

管理者はチェックばかりしたがる病気にかかっている。

こういう管理者が増えたら、その会社は傾きはじめているといっていい。 次に私が作ったのは誰でも使える「定規のような型」だった。

最初に原稿をセットしたら、製版、フィルム、刷版、印刷まで一切手を加えなくてもミクロン単位の精度が合うようにした。

生産性を上げるには、治具工具を「自分たちで作らねばならない」。 業者まかせではなく、手作りのものを作って実験を繰り返す。 こうした態度がある会社は実験型企業であり、創意工夫が発揮されている会社といってよい。

そして新しいやり方であろうと、現在のやり方と併用しながら、しばらく走らせていく。 やがて実務者が「どちらが良いか」判断を下していく。 こういうものは閑散期にやると良い。

どんなに良いものでも助走期間が必要である。 そして、うまく飛び立とうとしていれば、その仕組みは私の中では、ほぼ終えたものとなる。

それは、次の新しい研究開発を開始しなければならないサインであって、いつまでも成功事例にかじりついていてはいけない。 研究開発も生産性向上でも何でも、波が打ち寄せるように、一波二波と押し寄せていく。 それが開発者魂だと私は思っている。

そして何年も経ったら、その仕組を陳腐化させて新しいものに置き換えていく。 競争とは他社との問題ではない。 自分達が作ったモノ、サービス、仕組みなどを、ことごとく陳腐化させるのが本当の競争である。

価値を産むとは、そういうことだ。

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